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京都のローカル放送局社員が選んだ「イチ“推し”カレー」5選

近年はスパイスカレーブームとも言われていますが、京都にもその風が吹いています。しかし、京都のカレーブームというのは今に始まったものではなく、むしろ国交が盛んになるに連れて海外から様々な文化を受け入れてきた変遷が“現在”に至っているように思えます。

今回は京都のローカル放送局KBS京都の社員に「あなたの好きなカレー店を教えて」というアンケートを取り、上位に挙がったカレー店5軒を紹介します。

1:茶の間(京都御所エリア)

茶の間のビーフカレー
画像:きょうとくらす編集部

『茶の間』は、KBS京都の新入社員が先輩にはじめて連れて行ってもらうお店の一つ。そこでオーダーするのが『ビーフカレー』です。

カレーが入っているランプ型の食器(グレービーボート)とペーパーナプキンが巻かれたスプーン。これだけでテンションが上がります。

そしてご飯にコーンフレークがかかっているのが『茶の間』スタイル。

スリランカの思い出の味

茶の間のビーフカレー
画像:きょうとくらす編集部

『茶の間』は1967年(昭和42年)開業の喫茶店です。カレー以外にも卵サンドや、美味しいコーヒーもあります。現在のカレーになるまでは、普通のカレーを出していたそうです。

しかし、『茶の間』で紅茶を販売していた時期があり、その時にスリランカからきた女性が紅茶とともにスパイスの調合を教えてくれたことから、今のカレーが誕生しました。

茶の間のビーフカレー
画像:きょうとくらす編集部

カレー作りは2代目の店主の紺谷さんが、先代のお母さんのカレーを作る姿を見ながら覚えました。10種類以上のスパイスをミルで引いているのだそうです。それもなんと手作業で……。

朝の接客と仕込みをしながら手でスパイスを引くのは大変そうですが、紺谷さんはこの時間が好きなんだとか。

あなたは何時が好きですか?

茶の間の店内
画像:きょうとくらす編集部

カレーは11時から提供されていますが、11時台のカレーはパンチのあるスパイスが際立ったカレーで、時間が経つと徐々にマイルドになるため、時間帯によってカレーの風味が変わっていくのだそう。

『茶の間』のカレーをよく知っている人は、「僕は11時半のカレーが好きだ」と言って、時間指定で来店される方も。KBS社員は、概ね12時からのカレーを食べていますが、やっぱりこの味が好きです。

【店舗詳細】
茶の間
住所:京都府京都市上京区下長者町室町西入ル南側
電話番号:075-441-7615
営業時間:【月~金】7:30~17:00
定休日:土・日・祝

2:ムガール(御池木屋町)

ムガール外観
画像:きょうとくらす編集部

創業1987年のインド料理店『ムガール』。ランチはインドカレーセットがメインですが、カレーだけでなくインド料理を100種類以上提供しています。

アンケートのコメントには「チキンカレーもシーフード系のカレーも美味しい。」「食べても体が重たくならない。」や「サイドメニューが美味しい。」と、絶賛の嵐でした!

世界中の人々がテーブルを囲めるレストラン

ムガール店内
画像:きょうとくらす編集部

『ムガール』には、本場インドをはじめ世界中のあらゆる国からお客さんが訪れます。海外からの支持を受ける理由の一つは、ヒンズー教やイスラーム教などの宗教上の理由や主義による食事制限に応えることができるから。

ランチの時間はメニューが限られますが、ベジタリアン対応のカレーのチョイスや、サイドメニューで食べたいものを調整することができます。

ターリーランチセット

ムガールのターリーランチセット
画像:きょうとくらす編集部

ランチでは6つのカレーから料金に応じてカレーを複数選ぶことができます。今回はBセットをいただきました。カレーは『チキンマサラ』『ダールフライ』『本日の日替わり』を選びました。

カレーと合わせてナンかバスマティライス(インド北部とパキスタンで古くから生産されてきたインディカ米(長粒種)の一品種)を選べます。

また、ナンには卵を使用しているので、動物の肉と卵や牛乳なども取らないピュアベジタリアンの方やヴィーガンの方にはロティ(インドやパキスタン、アフリカ諸国等で一般的に食されている全粒粉を使った無発酵パンの一種)に変更できます。

ムガールのカレー
画像:きょうとくらす編集部

6種のカレーはそれぞれの食材の特徴を生かしてスパイスを調合しています。複数のカレーを混ぜていただいても美味しいです。

ムガールのライタ
画像:きょうとくらす編集部

オーナーの平田さんのおすすめは、ランチセットのサイドメニューの『ライタ』を味変でカレーに混ぜて食べる方法です。

『ライタ』は水切りしたヨーグルトに、ハーブ、香辛料、キュウリなどを混ぜ合わせたヨーグルトサラダのような料理。単独で食べると爽やかな酸味と野菜のシャキシャキした触感でお口がすっきりします。

カレーに混ぜると、単独で食べたときの酸味がなくなりクリームのようなまろやかな味になります。

ランチの時間帯でもセットメニュー以外のアラカルトの注文もできます。スープ、ビリヤニ、タンドール、炭火焼きパン、デザートなど、豊富なメニューからインド料理を楽しめますよ。

【店舗詳細】
ムガール
住所:京都府京都市中京区上樵木町496アイル竹嶋ビル 2階
電話:075-241-3777
営業時間:12:00〜14:30(L.O.)/17:00~21:00(L.O.)
定休日:火曜日

3:カマル(烏丸御池エリア)

カマルの看板
画像:Instagram spice_curry_kamal

『カマル』は2012年創業。もともと原宿にあった『GHEE』のカレーのレシピを引継ぎ、京都でその味を育ててきました。

お店の名前の『カマル』はヒンディー語で“蓮”の意味。なのですが……看板に描かれているのはインドの王族のようなゾウさん。当時の店長もはじめは「なぜゾウさんなんだ?」と思っていたそうですが、今ではすっかりお馴染みのキャラクターになりました。

アンケートのコメントでは「バターチキンカレーが美味しい。」や「いつも合いがけにする(バターチキン&ビーフカレー)」といった声が。

やっぱり“合いがけ”じゃないと!

カマルの合いがけカレー
画像:きょうとくらす編集部

『カマル』のランチセットでは、『Aサラダセット』『B野菜ジュースセット』から、自分が食べられるご飯の量(6段階)を選び、カレーは1種盛りの『シングル』か合いがけの『コンビネーション』をさらに選択できます。

『コンビネーション』が人気なのですが、それもそのはず合いがけでもお値段そのまま! なんともお得感のあるカレーなのです。

カマルの合いがけカレー
画像:きょうとくらす編集部

合いがけカレーをいただくときは、このライスをどのように堀り進めていくかがミソです。

オーナーの大島さん曰く「うちのカレーは混ぜて楽しんでいただけるように作っているので、最初にご飯とカレーをかき混ぜて食べる人もいますし、ご飯を真ん中で割って器の端まで綺麗にぬぐいながら食べる人もいますよ」と教えてくれました。

カマルの合いがけカレーに『ビーフカレー』をちょいがけ
画像:きょうとくらす編集部

今回は、『やさい』と『バターチキン』のコンビネーション(Sサイズ)をチョイス。欲を出して『ビーフカレー』を食べたい筆者は『ちょい盛り』なるミニサイズのカレーをプラスしました。

『ビーフカレー』は、かなりスパイシー! バターチキンカレーと合わせると、ちょうどいい塩梅に。自分の好きなコンビネーションを作るのも楽しいですね。

【店舗詳細】
カマル
住所:京都府京都市中京区菱屋町32−1 三条東洞院東入ル
電話番号:075-211-3949
営業時間:【月~金】11:30~14:30(L.O.)・17:00~21:30(L.O.)
【土日祝】11:30~21:30(L.O.)※通し営業
定休日:無休

4:インディアン ダイニング ガネーシャ烏丸今出川店(烏丸今出川エリア)

ガネーシャのメニュー
画像:きょうとくらす編集部

『ガネーシャ』があるのは、同志社大学今出川キャンパスがある烏丸今出川通りを西に行った複合ビルの3階。

ランチタイムの時間は、大学生と会社員らしき人が半々くらいの割合で、大きなガラス張りの明るい店内に、6人は優に座れるような大きな木のテーブルが並び、ゆったりと食事を楽しめます。

ガネーシャのカレー
画像:きょうとくらす編集部

アンケートのコメントには「ランチのナンが食べ放題なのが嬉しい。」や「ナンが美味しい。」とナンを褒めた声が目立ちました。

ナンがもっちり美味しい

ガネーシャのナン
画像:きょうとくらす編集部

ランチセットのナンは1枚おかわり無料! しかも、焼きたてで香ばしい香りに、もっちりとした食感。シェフはインドで18歳から料理の道に入り、伝統的なインド料理の方法を学ばれました。

画像:きょうとくらす編集部

カレーは全てオーダーが入ってから作られていて、辛さのレベルも選べます。ランチセットについてくるスープは、野菜をベースにスパイスを合わせた優しい味。

店員さんがいつも手際よくオーダーを取り、素早くメニューを提供してくれるため、お仕事中の方も、授業の合間の学生さんも、気持ちよくランチタイムを過ごせますよ。

【店舗詳細】
インディアン ダイニング ガネーシャ烏丸今出川店
住所:京都府京都市上京区今出川通室町東入今出川町313 SAKURA BLD 3階
電話番号:075-366-6122
営業時間:11:00〜14:30(L.O.)/17:00〜22:30(L.O.)
定休日:日曜日

5:京都カレー製作所 カリル(烏丸丸太町エリア)

画像:きょうとくらす編集部

『カリル』のカレーの良さは、フレッシュなスパイスの香りと、いつ行っても新しいカレーに出会えるメニューの豊富さ。

『カリル』のカレーを食べるとだいたいスパイスの香りも会社に連れて帰るので、「カリル行った?」が会話の常套句になっています。

アンケートのコメントでは「その時々の限定カレーが秀逸でどれも美味しい。」「月替わりで楽しめる。」「チキンカレーが美味しい。」「卓上の副菜が美味しい。」との声が。

三拍子揃ったスパイスカレー

カリルのスパイスカレー豆と野菜のカレー
画像:きょうとくらす編集部

『カリル』のカレーは、爽やかなスパイスの香りと、具材の取り合わせ、お米の固さの三拍子が揃っています。何度行っても納得の美味しさと、心地よい発汗が促されますよ。

『カリル』に行くというのは、その月替わりのカレーを味わいに行くのと同時に、元気を注入しに行く場所なのかもしれません。

カリルのピクルス
画像:きょうとくらす編集部

卓上に置かれている副菜は自由に食べられます。ピクルスのシャキシャキ食感と、カレーがよく合います。

カリルのエビカレー
画像:きょうとくらす編集部

月替わりのカレー(取材時2023年11月)は『エビカレー』でした。

【店舗詳細】
京都カレー製作所 カリル
住所:京都府京都市上京区新町通丸太町上ル春帯町349-1 永楽アパルシオン 1階
電話番号:075-211-6110
営業時間:11:00~15:00(L.O.)/17:00~20:00(L.O.)
※土曜日はランチタイムのみ営業
定休日:日曜日(月曜が祝日の場合は日曜営業、月曜休み)

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文/きょうとくらす編集部

【画像・参考】きょうとくらす編集部
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