美しい山々や川、北には海と多くの自然資源に恵まれた都市、京都。自然と歴史・文化が融合し、長きにわたって日本の中心地として栄えてきました。
連載『きょうとの自然とくらす』では、自然と調和し日々を歩む京都、京都の自然と共に生きていく知恵や工夫について発信していきます。
9月1日は“防災の日”とみなさんご存知でしょうか? 1923年9月1日、神奈川県西部から相模湾にかけてを震源とするマグニチュード7.9の地震が起きました。その甚大な被害を忘れずに防災意識をもつために、9月1日は“防災の日”と定められました。
1:子どもの防災意識、32.3%の保護者が低いと感じている?
先日宮崎県で震度6弱の揺れを観測し、そこから南海トラフ地震への注意が出されました。近年、「いつ大地震がきてもおかしくない」といわれ続けていますが、とうとうそれが目前に迫ってきていると感じて、飲料水や防災用品を慌てて買いに走った人も少なくないはずです。
では、大人は危機感を持ち始めても、子どもはどうでしょうか?
小学4年生~中学3年生の子どもがいる保護者を対象に、2023年8月『明光義塾』が防災意識に関する調査を実施しました。
「あなたはお子さまの防災意識についてどのように感じますか?」というアンケートをとった結果、32.3%の保護者が「低いと感じている」と回答。
学校では、定期的に防災訓練を行っており、災害についても年に1回は学んでいる場合が多いのはずなのに、なぜ防災への意識が低いのでしょうか?
「お子さまの防災意識が低い原因をお答えください」という質問で最も多かった回答は、「自分事としてとらえられていない(54.5%)」でした。
これは、大人にも同じことがいえるのではないでしょうか。筆者が子どもの頃から「いつか大きな地震がくる」とはいわれていますが、それから数十年自分の住む地域で起こっていないと、やはりどこか他人事に思えてしまう……。
親である私たちが防災を意識した行動をしていないと、子どもも“自分事”として捉えることができないのではないでしょうか?それを表しているのが次のアンケートです。
「あなたは現状のご家庭での防災対策で十分だと感じていますか?」という質問に対して、51.6%が「不十分だと感じる」と回答しました。
子どもが学校で防災訓練を行っていても、家庭ではどうでしょうか? 家庭で防災について子どもと話したことがないという家庭も少なくはないのでしょうか。