KBS京都で放送中の『きょうとDays』。
今回は、2023年4月27日(木)に放送された『ふるさと Days』コーナーから、『質美笑楽講(しつみしょうがくこう)』をご紹介します。
地域交流施設「質美笑楽講」
1874年創立の旧質美小学校。2011年に閉校しましたが、地元住民の要望により2012年に地域交流施設『質美笑楽講(しつみしょうがくこう)』として、新たに生まれ変わりました。
レトロな木造校舎をそのまま残し、まるで昭和にタイムスリップしたかのようです。当時の面影も残っていて懐かしい気分になります。
コンセプトは“誰でも気軽に立ち寄れる場所”。今では、本屋・雑貨・カフェなど9店舗が入ります。
質美笑楽講 管理運営委員会の谷文絵さんは、京都市内で生まれ育ち、結婚・出産を機に、夫の実家の質美地区に移住してきました。
そして2011年に、地元住民から小学校が廃校になるのは忍びないとの要望を受け、質美笑楽講の運営に携わりました。
「コミュニティーの場が閉ざされることはより寂れていく感じがしました。皆が自由に来られるような場所を提供したかったというのがスタートです。」と谷さんは話します。
「質美笑楽講」内の店舗
最初に訪れたのは、オープン当時から営業を続ける『絵本ちゃん』。『絵本ちゃん』のロゴを書き下ろした絵本作家・荒井良二さんの作品をはじめ、およそ2,000冊の絵本や書籍が並んでいます。
この絵本ちゃんのオーナーが、谷さんです。谷さんは以前、児童書専門店に勤めていました。
数ある絵本の中には、24人の絵本作家がウクライナ支援のために作った『THE EARTH PASSPORT』というジャバラ絵本もありました。動物たちが手をつなぐ楽しい世界が広がっています。収益はウクライナの子どもに寄付されるそうです。
続いてやって来たのは、アンティーク雑貨を取り扱う『ケセラセラ』。
店主が買い付けや友人から譲り受けた昭和の古道具やおもちゃが、レトロな空間に所狭しに並んでいます。
また、イベントルームでは、今年3月に結婚式が行われました。
芸術家の新郎新婦が黒板に描いた作品がそのまま残されています。
元作業室には『おかきの加工所』が入店し、地元のもち米を使った手作りのおかきを販売しています。
おかき作り10年目を迎える小林光枝さんがエプロン姿でおかきを焼いています。
おかきをいただくと、サクサクとした食感で、ほんのりとお芋の甘味があります。とっても上品でやさしいお味です。
最後は、食堂『喫茶ランチルーム』にやってきました。ここは当時、全児童が集って給食を食べていたランチルームだそうです。
各教室で食べるのではなくみんなが集って食べるのは、その当時、とても新しいスタイルだったそうです。
もっと地域の中心として皆さんにとって便利な場所に
閉校になった小学校を活用して、笑顔の輪を広げようと地元住民の思いからスタートした『質美笑楽講』。今後について伺いました。
「ほかから来られた方が、ここに住んでも良いと言ってもらえるようになれば良いなと思います。もっと地域の中心として皆さんにとって便利な場所になればいいなと思います。」と谷さんは話してくださいました。
皆が慣れ親しんだ小学校という場所が、新しい形で人々の集う場所になるのはとっても素敵ですね。小学校の統廃合が全国で進む中、もっともっと伝えていきたい取り組みです。
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文/きょうとくらす編集部
【画像・参考】きょうとDays(毎週月~金曜日17:35~18:00) – KBS京都
※この記事は、2023年4月27日(木)放送時点の情報です。詳しくは店舗へお問い合わせください。