廣瀬米穀店内のカフェで提供されているお米パン
キャリア

一口食べると衝撃…!お米で作った絶品パン【京都市南区】

KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2023年5月6日(土)の放送では、お米屋カフェ代表・廣瀬弘香さんに話を伺いました。

Profile:お米屋カフェ代表・廣瀬弘香さん

お米屋カフェ代表・廣瀬弘香さんプロフィール
画像:KBS京都『谷口流々』

お米屋カフェ代表・廣瀬弘香さんは、昭和元年創業の『廣瀬米穀店』(京都市南区)内の『お米屋カフェ』の代表。米粉100%で作るグルテンフリーの菓子やお米パンなどを販売しています。五ツ星お米マイスターの資格を持っています。

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」の米粉シフォンケーキ
画像:KBS京都『谷口流々』

『廣瀬米穀店』内のカフェで提供されている、米粉100%で作られたシフォンケーキをいただきました。ふわふわの食感でしっとりしていて、お米の香ばしさが感じられます。何もつけずそのまま食べるのがおすすめだそうです。

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」の米粉ラスク
画像:KBS京都『谷口流々』

また、米粉100%のラスクもいただきました。シフォンケーキをもう一度焼いてラスクにしているんだそうです。

米穀店に嫁ぐ

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」代表・廣瀬弘香さん結婚当時
画像:KBS京都『谷口流々』

大学を卒業してすぐ、家業が米穀店のご主人と結婚。子宝にも恵まれ子育て中心の生活を送っていました。10年が経ち、ふと自分の時間ができた時に、廣瀬さんは「自分には趣味がない」と思いました。そこで、これまで絵を描いてきたこともあり、もう一度筆を持とうと考えました。

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」代表・廣瀬弘香さんインタビュー
画像:KBS京都『谷口流々』

筆を持つと、なんとも言えない感情が沸いたそうです。

それまで、嫁いで名字が変わり、誰かのママ、誰かの奥さんと呼ばれることに違和感を感じていました。筆を持ったことで、あらためて自分自身の存在を感じ、嬉しい気持ちになったそうです。

そして、32歳でアトリエ教室を立ち上げました。個人宅でのグループ出張レッスンや、小・中・高・大学などや企業でのセミナーにも呼ばれ、講師活動をしていました。

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」代表・廣瀬弘香さんのお義父さん
画像:KBS京都『谷口流々』

しかし、ちょうどその頃にお義父さんの認知症が悪化。献身的に廣瀬さんは介護にあたりました。看病していた時に、廣瀬さんはお義父さんに「米穀店を頼む」と託されたそうです。

この約束を守るために、廣瀬さんは奮闘する決意をしました。「米屋の看板を守りたい」という思いで、米穀店に住まいを移し、三代目を継承しました。

米の可能性

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」代表・廣瀬弘香さんインタビュー
画像:KBS京都『谷口流々』

当時、ひと月に5トン程度納品するぐらい、『廣瀬米穀店』は忙しくしていましたが、
個人商店の経営は厳しいものがありました。

今のカフェがある場所に業務用のお米が積んでありましたが、取引が終了し、そこがガランと空いてしまったことがあったそうです。気落ちするご主人を見て、二人で何とかするしかないと決心しました。

ある日ご主人から「米粉を使用して何かできないか?」と相談を受けました。今は米粉を使ったレシピがたくさん紹介されていますが、当時はどこにもなく、廣瀬さんは試作を繰り返しました。

試作が完成すると、飲食店や菓子製造業の許可を取り、本格的にカフェにしようと一気に動き出しました。

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」代表・廣瀬弘香さんインタビュー
画像:KBS京都『谷口流々』

当時は米粉やグルテンフリーが浸透しておらず、「そんなに米粉にこだわる必要があるのか」と言われることも多かったそうです。

しかし、米屋に誇りを持ち「米屋だからこそできることを」と揺るぎない信念を持ち続けました。

おいしいお米のパン

廣瀬米穀店内のカフェで提供されているお米パン
画像:KBS京都『谷口流々』

そんな中、「米粉ではなくお米でパンを作りたい」という思いから生まれたパンがあります。パンなのに新米を開けた時のような香りがします。一口食べると衝撃を受ける方が多いそうです。

廣瀬米穀店内のカフェで提供されているお米パン
画像:KBS京都『谷口流々』

米粉用に栽培された米やパン用に品質改良された米、酒米などの米は、特徴として、甘み・粘り・ツヤがなく、炊飯用としてはあまり適していません。

『お米屋カフェ』の『米屋のお米パン』は、良質米にこだわり、甘み・粘り・ツヤのある一等上質米こしひかり(産地別)で作られています。

お米の新しい食べ方であるこのパンは、米屋だからこそ作ることができた逸品です。

廣瀬さんを表すことば

廣瀬米穀店内の「お米屋カフェ」代表・廣瀬さんを表す言葉
画像:KBS京都『谷口流々』

廣瀬さんとお義父さんの思いから、『廣瀬米穀店』は守り続けられています。「お義父さんとの約束が果たせているようです。」と廣瀬さんは語ります。

今回の“廣瀬さんを表すことば”は 『お米の神様に選ばれた人』。

懸命にお義父さんとの約束を守るため、努力してこられた廣瀬さん。情に厚く、邁進していく姿がとっても素敵な女性でした!

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文/きょうとくらす編集部

【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この記事は、2023年5月6日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。