日本有数のパンの消費量が多い都市・京都に生まれ育ったパン大好きライターのみやこです。
連載『きょうとのパンとくらす』では、これまで200店舗近いパン屋さんを訪れた筆者がおすすめするパン屋さんを紹介します。
さて、今回ご紹介するのは、京都市左京区の絶品パン屋さん11店舗。アクセス方法やおすすめメニューまで、初めて訪れる方にも役立つ情報をお届けします。
1:クマにご注意!? ちょっと秘境に佇む「ブルージュ洛北」
京都駅周辺から車で40分ほど、公共交通機関を利用する場合は、京都バス(岩倉村松行き)で向かい、上長谷バス停で下車し、そこから歩いて10分ほどの場所にあるのが、『BRUGGE(ブルージュ)洛北』です。
店内は絵本に出てくる森のパン屋さんといった雰囲気。山奥にあるこちらのお店にもピッタリで、なかなかオシャレで良い感じ。パンは一つひとつ丁寧に包装されているので衛生的。種類も豊富で何よりお手頃価格なのが嬉しいですね。
ショーケースの中には手作りのケーキやシュークリームなどのスイーツも販売されています。
『洛北フレンチ』(260円)は、こちらのお店の代名詞と言っても過言ではない代表作でとても人気のあるパン。表面がパリッとしていて、中はしっとりもっちりとした食感。
程よい甘さでしつこくないフランスパンのフレンチトースト。他では味わえないこちらのお店だけのオリジナルです。
【店舗詳細】
ブルージュ洛北
住所:京都府京都市左京区岩倉長谷町1050
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
2:有名ホテルのシェフも認める実力派ベーカリー「吉田パン工房」
地下鉄烏丸線・松ヶ崎駅から北山通りを東に向かって歩いておよそ8分。その通り沿いにひっそり佇むのが『吉田パン工房』です。
このお店はもともと、有名なホテルやレストランにパンを卸しているだけのお店でしたが、2018年に一般販売も開始し、金曜日から日曜日の週末のみ営業しています。
清潔で小ぢんまりとした店内には、焼き立てのパンの香りが漂い、店員さんの丁寧な接客もあり、心地よい空間です。ショーケースには、その日によって異なる十数種類のパンが美しく並んでいます。目を引くような派手な見た目のパンは置かれていませんが、どれもが繊細でおいしそうなパンばかり。
『カンパーニュ 1/4』(480円)は、フランス産の石臼挽き粉とレーズン酵母を主体に作った、吉田パン工房の自信作です。
酵母を起こしたレーズンをそのまま生地に練り込んでいるため、レーズンの皮や身が若干入っています。モッチリとした食感で、焼きたての状態でもおいしいのですが、翌日のほうが味が一層落ち着いて、より深い味わいが広がります。
【店舗詳細】
吉田パン工房
住所:京都府京都市左京区松ヶ崎雲路町2-2アルカディア松ヶ崎 1階
営業時間:8:30〜14:00(売り切れ次第閉店)
定休日:月曜日~木曜日
3:営業は週に4日だけ…斬新でユニークなパンが並ぶ「Bread Tsukune」
叡山電車『茶山・京都芸術大学駅』から徒歩約10分、洛北阪急スクエアのすぐ近くにある『Bread Tsukune(ブレッド ツクネ)』。東京の『メゾンカイザー』で修業された店主が、天然酵母と低温長時間発酵製法によって熟成した生地を使ったパンを販売しています。
他では見かけない斬新でユニークなパンが並んでいます。季節によっても新しいパンを生み出す勉強熱心な店主の人柄が、お店全体からも感じ取れます。
『枝豆塩こんぶチーズ』(246円)は、枝豆と塩こんぶが練り込まれた生地にチーズの香ばしさがたまりません。
枝豆の風味と塩こんぶのうま味が絶妙にマッチし、チーズの芳醇な香りが上品に広がります。ビールのおつまみとしても良く合います。
【店舗詳細】
Bread Tsukune(ブレッド ツクネ)
住所:京都府京都市左京区高野西開町48-4 エクセルシアー103
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日~水曜日
4:日本で唯一京都のみ!オーストリア老舗ベーカリー「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」
地下鉄東西線・東山駅から徒歩約7分、二条通を少し下がったところ疎水沿いにあるベーカリー『ホーフベッカライ エーデッガー・タックス』。看板にはハプスブルク家御用達ベーカリーと書かれています。
店内には王家が認めた上質なパンが並んでいます。惣菜パンや菓子パンなどは販売されておらず、ハード系や食事に合うパンが中心です。
『ブレッツェル』(270円)は、神に祈りを捧げる手を模した形をしています。外側はパリッと、中はもちもちとした食感です。
表面のガリッとした塩の粒が良いアクセントになり、噛むたびに口いっぱいに広がる香り高い小麦の風味がたまりません。
【店舗詳細】
ホーフベッカライ エーデッガー・タックス
住所:京都府京都市左京区岡崎成勝寺町3-2
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日、木曜日
5:パン職人最高資格を持つ夫婦が作る「ベッカライ・ペルケオ・アルト・ハイデルベルク」
京都市営バス・岡崎道バス停から徒歩1分ほど、丸太町通沿いに佇む『ベッカライ・ペルケオ・アルト・ハイデルベルク』。ドイツ人のご主人と京都出身の奥様が営むお店です。とても長い店名なのですが、お店の方も地元の方も“ペルケオ”と呼んでいます。
ドイツの街角にあるパン屋さんそのままといった雰囲気の店内。京都にいながら海外旅行に来たような気分が味わえます。
ショーケースにはブレッツェルなどの定番商品から珍しいパンまで、色々な種類のドイツパンが並んでいます。ご夫婦揃ってドイツでパンの最高資格『マイスター』を取得されているということもあり、並んでいるパンは京都の他のお店では味わえない本格的なドイツパンばかりです。
『ミュースリー・ディンケルブロートヒェン』(320円)は、リンゴジュースに漬け込んだドライフルーツ(クランベリー・アプリコット・イチジク・くるみ・白ごま)が入ったディンケル小麦を100%使用した贅沢な小型パン。
小麦の香り豊かなもっちりとした生地にドライフルーツの爽やかな酸味がたまりません。
【店舗詳細】
ベッカライ・ペルケオ・アルト・ハイデルベルク
住所:京都府京都市左京区岡崎天王町54-1 クリヨン岡崎1階
営業時間:月曜・金曜 9:00~18:00/土・日・祝日 7:30~18:00
定休日:火曜日、水曜日、木曜日
6:京都でも一二を争う人気店!?「ぱんのちはれ」
叡山電鉄・一乗寺駅を出て東側すぐのところにあるのが『ぱんのちはれ』。駅からほど近い場所なので、東に目を向けるとすぐにお店が見つかります。専用駐車場はありませんが、1,500円以上購入すると近くのコインパーキングが20分間無料になるコインをいただけます。
こちらのお店はクオリティの高いパンが評判で、市内の中心部から少し離れた立地ながら、京都でも一二を争うと言っても過言ではないほど、非常に人気の高いお店です。お店の開店から閉店時間までお店の中はいつもたくさんのお客さんで賑わっています。
『クロワッサンドーナツ』(248円)は、クロワッサンをカリカリに揚げたドーナツ。クロワッサンのバターの風味と、たっぷりとかかったシュガーの甘さが最高のハーモニーを奏でます。
そして、シナモンのほんのりとした香りが加わり、一口いただくごとに至福の味わいが広がります。
【店舗詳細】
ぱんのちはれ
住所:京都府京都市左京区一乗寺南大丸町48-6
電話:075-703-6710
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
7:パン屋激戦区・銀閣寺エリアの人気店「ぱんや 松」
市バス17号系統『銀閣寺』バス停を降りてすぐ目の前にあるお店『ぱんや 松』。白川今出川を西に入ってすぐのところにあります。老舗のパン屋さんなども軒を連ねる激戦区・銀閣寺エリアでも人気のパン屋さんです。
店内は和モダンな雰囲気で、木の温もりが心地よい空間です。棚の上には、いろいろな種類のパンが並んでいます。その一つひとつが、丹精込めて作られた絶品のパンたち。香りも豊かで、焼き立てパンの芳醇でおいしそうな香りに包まれます。
『松あんぱん』(172円)は、ふんわりもちもちの生地の中に、程よい甘さの白あんがたっぷりと詰まっています。
そして、上に乗っている赤色のものは“しば漬け”。このしば漬けのカリカリッとした歯ごたえと塩気がアクセントとなって、和風でおいしいパンに仕上がっています。
【店舗詳細】
ぱんや 松
住所:京都府京都市左京区浄土寺西田町73
営業時間:7:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日:月曜日、木曜日
8:注文後にクリームを注入する絶品コルネ「REBONDIE」
叡山電車・一乗寺駅から徒歩約7分、北大路通沿いにある『REBONDIE(ルボンディー)』。大きな看板が特徴で、木の温かみを感じる外観です。
店内の棚には、惣菜パンから菓子パンまで、多種多様なパンが並んでいます。
こちらのお店の看板商品は、注文を受けてからクリームを詰めることでいつでもサクサクの食感を楽しめる『コルネ・クリスプ』。棚には生地のみの状態で並んでいます。とても人気があり、遅い時間になると売り切れてしまうことも多いので、早めに来店するのがおすすめですよ。
『コルネ・クリスプ』(238円)は、『生クリーム』『生クリーム』『カスタード』の3種類からクリームが選べます。今回はカスタードをチョイスしましたが、他の2種類の場合は227円と少しだけ安くなっています。
さらに、ハーフ&ハーフも注文可能です。生地はサックサクの食感でカスタードクリームのちょうど良い甘さと生地の味わいのバランスも抜群です。
【店舗詳細】
REBONDIE(ルボンディー)
住所:京都府京都市左京区一乗寺梅ノ木町54-1
営業時間:7:00~18:00
定休日:木曜日
9:まもなく100年。地元で愛され続ける「ベーカリー白川」
市バス・北白川バス停から今出川通を東へ徒歩約2分、『吉田神社』の北参道入口の向かい側にあるのが『ベーカリー白川』。昭和3年(1928年)創業のもうすぐ100年になる老舗ベーカリーです。
店内にはどこか懐かしい雰囲気が漂い、並んでいるパンも昔ながらの懐かしいパンばかりです。昭和を思い起こさせるようなパンは見ているだけで、懐かしく温かい気持ちに包まれます。
『あんバター』(170円)は、程よい甘さのあんことバターがたっぷりサンドされた絶品のパン。生地はハニーバターと同じく、ふんわりもっちりとした食感が特徴で、たっぷりのバターの塩気が、なめらかなあんこの甘さを引き立てています。
サイズは小さめですが、その分、濃厚な味わいがギュッと詰まっており、満足感がしっかりと感じられます。朝食やおやつにぴったりの一品ですよ。
【店舗詳細】
ベーカリー白川(白川製パン)
住所:京都府京都市左京区北白川久保田町64
電話:075-781-2643
営業時間:8:00~18:00
定休日:火・水・木曜日
10:オーガニック食材にこだわった人気店「タナカパン製作所」
叡山電鉄叡山本線・修学院駅から徒歩約2分、商店街『プラザ修学院』の一角に佇む『タナカパン製作所』。一見、パン屋さんとは思えないほどスタイリッシュでおしゃれな外観のお店。
店先には大きくお店の名前が掲げられておらず、知らないとそのまま通り過ぎてしまいそうな、知る人ぞ知るお店です。
コンクリートの無機質な質感と、木の温かみが合わさったクールでモダンな店内。北海道産の小麦を100%使用し、低温熟成発酵で作られた自家製ルヴァン種など、厳選されたオーガニック食材にこだわっています。
『モッツァレラチーズの焼きカレーパン』(280円)は、もっちりとした食感のパン生地に、スパイシーでほんのり辛口のカレーがたっぷり詰まっています。チーズの香ばしい風味が、カレーのピリッとした辛さとマッチして、クセになる味わいに仕上がっています。
【店舗詳細】
タナカパン製作所
住所:京都府京都市左京区山端壱町田町8-48
営業時間:11:00~18:00
定休日:月・火曜日
11:買えるのは土曜日のみの人気店「タローベーカリーユニコ」
市バス・錦林車庫前バス停から徒歩約4分、鹿ヶ谷通沿いにあるベーカリーカフェ『タローベーカリーユニコ』。右京区の人気ベーカリー『タローベーカリー』の姉妹店です。なんとカフェがオープンするのは土曜日だけ! 営業を心待ちにする常連客も多く、行列ができることもある人気店です。
店内は木の温もりに包まれ、本棚にはたくさんの本がずらりと並んでいます。まるで隠れ家のような心地よい空間です。テーブルには種類は多くはないですが、こだわりの詰まった魅力的なパンが並んでいます。
『じゃがいもチーズナン』(290円)は、じゃがいもとチーズをたっぷり挟み、ナンのように薄く伸ばして焼き上げたパンです。
名前に“チーズナン”とありますが、実際にはナンではなくオリジナルのパン。さらに、中にはコーンも入っており、シャキシャキとした食感がアクセントになっています。ハーブソルトの絶妙な塩気が全体の味を引き締め、クセになる味わいに仕上がっています。
【店舗詳細】
タローベーカリーユニコ
住所:京都府京都市左京区浄土寺下南田町1
電話番号:075-286-4331
営業時間:12:00~18:00
定休日:日曜日〜金曜日 ※土曜日のみ営業
文/みやこ 編集/きょうとくらす編集部
【画像】みやこ
※この記事は取材時点の情報です。記事内で紹介しているパンの販売が終了している場合があります。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
※この記事は2024年2月22日(木)に配信し、11月28日(木)に再編集しています。
※文中の価格はすべて税込みです。